「エルメスの婚約指輪はありえない」
検索窓に表示されるこの不穏なサジェストを見て、憧れのオレンジボックスへの期待が一瞬で不安に変わったのではないでしょうか。
結論から言えば、一般的な日本のブライダルリングの常識(プラチナ・サイズ直し前提・ダイヤ重視)で考えると、エルメスは確かに「ありえない」選択肢です。しかし、その「不便さ」こそが、大量生産品とは異なる「真のラグジュアリー」の証でもあります。
この記事では、Grand Carat編集長がエルメスのブライダルジュエリーに隠されたリスクと価値を徹底解剖します。
- 構造的欠陥:「アリアンヌ」などはデザイン優先のため、サイズ直しが物理的に不可。
- 素材のミスマッチ:日本市場で信仰される「プラチナ」の在庫が極端に少ない。
- 納期の罠:国内在庫がない場合、本国オーダーで半年待つ覚悟が必要。
- それでも選ぶ理由:他と被らない圧倒的な「資産価値」と「ステータス」。
エルメスを選ぶには、予算だけでなく「覚悟」が必要です。もし、手持ちの使っていないブランドジュエリーがあるなら、それを賢く処分してエルメス購入の軍資金(資産の入れ替え)にするのが、賢い大人の女性の選択です。
【高価買取】古いティファニーやカルティエを売ってエルメスの購入資金を作る
エルメスの婚約指輪が「ありえない」と言われる3つの致命的理由

なぜ、世界最高峰のブランドであるエルメスに対し、これほどまでに拒絶的な検索ワードが並ぶのでしょうか。その背景には、日本のブライダル市場特有の「常識」と、エルメスの「職人哲学」との間に横たわる深い溝があります。
1. 【サイズ直し不可】一生モノとしての機能不全リスク
最も深刻な理由がこれです。婚約指輪は数十年身につけることを前提としますが、女性の指は妊娠・出産・加齢によりサイズが変化します。
一般的なジュエラー(ティファニーやカルティエなど)は、サイズ直しを前提にリングの掌側に「無地」の部分を残しています。しかし、エルメスは「360度どこから見ても完璧なデザイン」を追求するため、後からの加工を許さないモデルが大半です。
2. 【プラチナ信仰】日本市場との素材ミスマッチ
日本では「婚約指輪=プラチナ(Pt950)」が絶対的な正義です。変色せず、純白の輝きを放つプラチナはシェア80%以上を誇ります。
一方、欧米を主戦場とするエルメスの主力は「ホワイトゴールド(K18WG)」や「ピンクゴールド(K18PG)」です。ホワイトゴールドは長年の使用でコーティングが剥がれ、地金の色が見えてくるため、メンテナンスフリーを求める層からは「ありえない」と判断されます。
3. 【価格と納期】「買えない」ことへの苛立ち
「ありえない」という言葉には、「高すぎてありえない」ではなく「在庫がなくてありえない」という意味も含まれています。
特に日本で人気のプラチナモデルは入荷数が極端に少なく、自分のサイズに出会える確率は奇跡に近いです。「プロポーズまであと1ヶ月」という状況で店舗に行き、「本国オーダーで6ヶ月待ちです」と告げられた男性の絶望が、検索行動に表れています。
| 比較項目 | HERMÈS(エルメス) | 国内定番ブランド (銀座ダイヤモンドシライシ等) |
|---|---|---|
| サイズ直し | 原則不可 (モデルによる) | 永久保証・無料 (±3号まで対応等) |
| 主力素材 | K18ゴールド (PG/WG主流) | プラチナ (Pt950/Pt900) |
| デザイン思想 | 地金の造形美 (馬具・チェーン由来) | ダイヤの輝き重視 (立て爪・細身アーム) |
| 納期 | 即日〜半年以上 (在庫状況に左右) | 3週間〜1ヶ月 (安定供給) |
【後悔】サイズ直し不可?アリアンヌとヘラクレスの構造的欠陥

ここからは、具体的にどのモデルが「危険」なのか、技術的な視点から解説します。デザインに一目惚れして購入し、後になって「指に入らなくなった」と後悔するケースが後を絶ちません。
アリアンヌ(Ariane):切断不可能な円環構造
ギリシャ神話の迷宮の糸をモチーフにした「アリアンヌ」。2本のラインが絡み合う美しい透かし彫りデザインですが、これがアダとなります。
全周が均一なデザイン(エタニティ構造)であるため、「ここを切って伸ばす」という加工箇所が存在しません。無理に加工すれば、その連続性が途切れ、エルメスの美学が崩壊します。アリアンヌを選ぶなら、「一生体型を変えない」という強い覚悟か、サイズアウトしたらペンダントトップにするという割り切りが必要です。
ヘラクレス(Hercules):Hロゴの間隔問題
エルメスの頭文字「H」を象った力強いデザインの「ヘラクレス」。こちらも同様に、サイズアップのために地金を足すと、1箇所だけ「H」の間隔が広くなり、デザインバランスが崩れます。正規店ではまず断られる修理内容です。
では、エルメスには安心して買える婚約指輪は存在しないのでしょうか?
実は、唯一「日本の婚約指輪に近い」モデルが存在します。
唯一の「ありうる」選択肢。エヴァー・ケリーとプラチナの行方

「サイズ直しができないなら、エルメスは諦めるしかない」
そう絶望するのはまだ早いです。実は、エルメスのブライダルコレクションの中で、日本の婚約指輪のスタンダードに最も近く、比較的サイズ調整の余地があるとされるモデルが存在します。
エヴァー・ケリー (Ever Kelly) の可能性
エルメスのアイコンバッグ「ケリー」の留め具(クラスプ)をモチーフにしたデザインです。このモデルの最大の特徴は、「センターモチーフ以外のアーム部分がシンプルである」という点です。
アリアンヌのように全周が複雑なデザインではないため、物理的な切断と再溶接ができる可能性が他のモデルよりも高くなります(※ただし、エルメス正規店ではデザイン保護のため断られるケースが多く、あくまで技術的な観点での話です)。
また、エヴァー・ケリーはプラチナ(Pt950)での展開があり、0.2ct〜0.4ctのダイヤモンドをセッティングした「ソリティア」タイプは、まさに王道の婚約指輪の風格を持っています。
| モデル名 | デザイン構造 | サイズ直しリスク | 推奨度 |
|---|---|---|---|
| エヴァー・ケリー | トップ重視・アーム単純 | 中(技術的に可能) | ★★★★★ |
| ヘラクレス | Hロゴの連続 | 高(バランス崩壊) | ★★☆☆☆ |
| アリアンヌ | 2連チェーン構造 | 極高(切断不可) | ★☆☆☆☆ |
エルメスの指輪は高額ですが、資産価値は裏切りません。
眠っているティファニーやカルティエを「軍資金」に変えませんか?
※KOMEHYOなら古いデザインや片方だけのピアスも買取対象です
「ありえない」価格は嘘?圧倒的な資産価値とリセール率

「エルメスはブランド料が乗っているから、石(ダイヤモンド)の価値に対して高すぎる」という意見があります。これは半分正解で、半分間違いです。
確かに購入価格は高額ですが、「手放す時の価格(リセールバリュー)」まで考慮すると、話は変わってきます。
地金価値ではなく「ブランド価値」で売れる強み
一般的な国内ブランドの婚約指輪を売却しようとすると、悲しいことに「プラチナのグラム単価 + ダイヤモンドの卸価格」でしか評価されません。購入価格の10分の1以下になることもザラです。
しかし、エルメスは違います。「エルメスの指輪であること」自体に値段がつきます。特に近年、エルメスの定価改定(値上げ)は凄まじいペースで進んでおり、中古市場の相場も連動して上昇しています。
| ブランド | 購入直後の評価 | 5〜10年後の価値 | 資産判定 |
|---|---|---|---|
| HERMÈS | ブランド代込みで高額 | 値上げにより相場維持〜上昇 | ◎ (投資に近い) |
| Tiffany & Co. | 流通量が多い | 緩やかに下落するが安定 | ○ (換金性高い) |
| 国内ブランド | 広告費込みで高額 | 素材価値のみ(大幅下落) | △ (消費) |
エルメスの指輪サイズ選びでよくある質問

最後に、購入前に必ず解消しておくべき疑問をQ&A形式でまとめました。
Q1. エルメスのお店に行けば無料でサイズを測ってもらえますか?
はい、全国のエルメスブティックで無料計測が可能です。ただし、ブライダルリングを取り扱っていない店舗もあるため、事前に「ブライダルジュエリーの試着をしたい」と電話確認することをおすすめします。来店予約をすれば、個室でゆっくり対応してもらえる場合もあります。
Q2. 購入後のサイズ直しは有料ですか?
エルメスでは、購入証明書(日付入り)があり、かつサイズ直し可能なモデルであれば、初回は無償、あるいは期間内であれば対応してもらえるケースがあります。しかし、前述の通り「そもそも構造的に不可」なモデルが多いため、購入時の確認が必須です。
Q3. 刻印(エングレービング)は入れてもらえますか?
はい、可能です。リングの内側にイニシャルや日付を刻印できます。ただし、アームが細いモデルや、デザインが内側まで及んでいるモデルでは文字数に制限があるため、スタッフとの相談が必要です。納期は通常プラス数週間かかります。
まとめ:「ありえない」不便さを愛せるかどうかが試金石

エルメスの婚約指輪が「ありえない」と言われる理由は、品質が悪いからではありません。「サイズ直し不可」「プラチナ在庫薄」「長納期」という、日本のブライダル市場の常識から外れた不便さがあるからです。
しかし、その不便さは、職人が妥協なくデザインを追求した結果でもあります。
みんなと同じプラチナの指輪で安心するか。それとも、リスクを理解した上で、世界最高峰のメゾンの美学を指に纏うか。
もしあなたが後者を選ぶなら、その指輪は単なるアクセサリーを超え、人生を共に歩む最強のパートナー(資産)になるはずです。
憧れのエルメスを手に入れるための賢い選択!
まずは手持ちのブランド品がいくらになるか確認してみませんか?

