カルティエの大切な時計やジュエリーを修理したいけれど、ブティックに持ち込む時間がない。そう考えて「カルティエの修理キット」を使った郵送修理を検討していませんか?
しかし、その「修理キット依頼」には、多くの人が知らない重要な事実が隠されています。
実は、カルティエ“公式”の郵送修理では、物理的な梱包キットは送られてきません。公式のサービスは、Webで申し込んだ後「修理依頼シート」を自分で印刷し、自分で梱包材を用意して発送するプロセスを指します。
一方で、民間の修理専門店が提供する「無料郵送パック」は、専用の梱包材や伝票がセットで自宅に届く、手厚いサービスです。
この記事では、この2つの「カルティエの修理キット」の正体を徹底的に解明します。正規サービスと民間専門店の料金、期間、メリット、そして資産価値の低下といった潜在的リスクまで、ご提供いただいたデータに基づき詳しく比較し、あなたにとって最適な修理の依頼先を見つけるお手伝いをします。
- 公式の「修理キット」は自分で印刷・梱包する必要がある
- 民間専門店の「郵送パック」との具体的な流れの違い
- 正規と民間の料金・期間・リスク(資産価値)を徹底比較
- 保証書なしの対応やクリーニングキットとの違いも解説
衝撃の事実!カルティエの修理キットは2種類ある?

「修理キット」の正体は郵送修理サービス
カルティエの大切な時計やジュエリー、いざ修理が必要になった時、どうしていますか?
「ブティックに持っていく時間がない」「近くに店舗がない」といった理由で、「カルティエの修理キット」を使った郵送サービスを検討する人は少なくありません。
しかし、この「修理キット」という言葉、実は多くの人がイメージするものと、カルティエ公式が提供するサービスとでは、大きな違いがあることをご存知でしょうか。
混同注意!2つの郵送修理「公式」と「民間」
読者が「カルティエ 修理キット 依頼」と検索してたどり着くサービスは、大きく分けて2つのパターンが存在します。
- パスA:カルティエ公式の「郵送修理(ピックアップサービス)」
カルティエが正規に提供しているサービスです。絶対的な安心感が魅力といえます。 - パスB:民間修理専門店の「無料郵送パック(宅配修理キット)」
カルティエ製品の修理を専門に扱う民間の会社が提供するサービスです。手軽さとコストが魅力です。
この2つは、名前は似ていますが、修理キットの「中身」から「料金」、さらには「修理後の資産価値」まで、まったく異なるものになります。
この記事でわかること
この記事では、ご提供いただいた詳細なデータ分析に基づき、2つの「カルティエの修理キット(郵送修理)」の決定的な違いを徹底的に比較・解説します。
どちらがあなたにとって最適な選択なのか、この記事を読めば明確になるでしょう。
【パスA】カルティエ公式「郵送修理」の依頼方法

重要:公式から物理的な梱包キットは届かない
まず、最も重要な事実をお伝えします。
カルティエの公式サービスに郵送修理を依頼した場合、専用の箱や緩衝材といった「物理的な梱包キット」は自宅に送られてきません。
公式のサービスは、あくまで「オンラインで修理を受け付け、お客様ご自身で梱包・発送していただく」プロセスを指します。
公式郵送修理(ピックアップサービス)の流れ
では、カルティエ公式の郵送修理は、具体的にどのような流れで進むのでしょうか。
ステップ1:公式サイトから修理を申し込む
まずは、カルティエ公式サイトのサービスページにアクセスします。
ここで時計やジュエリーの情報を入力し、修理の申し込みを行います。
申し込みが完了すると、カスタマーサービスから概算の見積もりや修理の可否について連絡が来ます。
ステップ2:「修理ご依頼シート」を印刷する
公式サービスからの連絡で内容に合意すると、次に「修理ご依頼シート」をダウンロードし、自分で印刷するように指示されます。
これが、いわゆる「修理キットの申込み」と認識されているプロセスの正体です。
物理的なキットが届くわけではなく、この「依頼シート」が修理の受付票代わりになります。
ステップ3:自分で梱包し発送する
印刷した「修理ご依頼シート」に必要事項を記入したら、修理したい製品と一緒に、自分で用意した箱に梱包します。
梱包が完了したら、指定された方法(多くの場合、配送業者が集荷に来るか、自分で発送手続きを行う)でカルティエの修理センターへ送付します。
自分で梱包する際の重要注意点
公式の郵送修理は「自己梱包」が原則です。その際、絶対に守るべき注意点があります。
純正ボックス(赤い箱)は絶対に使わない
カルティエから送られてくる製品が入っていた、あのアイコニックな「赤い純正ボックス」で修理品を送ることは、絶対に避けてください。
カルティエの公式な指示として、「お送りいただいた梱包材は到着後破棄させていただきます」と明記されているためです。
大切な純正ボックスが二度と戻ってこなくなるため、必ず自分で用意した別の段ボール箱などを使用しましょう。
緩衝材を使い厳重に梱包する
数拾万円、時には数百万円もする高価な製品を送るわけですから、配送中の事故は絶対に防がなければなりません。
時計やジュエリーが箱の中で動かないよう、緩衝材(エアキャップや新聞紙など)を隙間なく詰め、厳重に梱包することが求められます。
この「梱包の手間」と「配送中のリスク」をすべて自分で負う必要があるのが、公式サービスの大きな特徴です。
公式サービスの料金目安と修理期間
正規サービスは安心感が抜群ですが、その分、料金は高額になる傾向があります。
※ご注意ください: ここに記載する料金は、あくまで一般的な目安であり、製品の状態やモデル、素材によって大きく変動します。正確な金額は、必ずカルティエのカスタマーサービスから提示される「見積もり」でご確認ください。
コンプリートサービス(オーバーホール)の料金
時計の完全な分解・洗浄・調整を行うオーバーホール(コンプリートサービス)の料金目安は以下の通りです。
| ムーブメントの種類 | 料金目安(税込) |
|---|---|
| クォーツ(電池式) | ¥44,000~ |
| 機械式(自動巻き・手巻き) | ¥66,000~ |
| 機械式クロノグラフ | ¥83,600~ |
電池交換の料金
電池交換サービスは、単なる電池の入れ替えだけでなく、防水検査なども含まれるため、一般的な時計店より高額です。
- 電池交換サービス: ¥9,240~
修理期間の目安
修理にかかる期間も、民間専門店と比べて長くなる傾向にあります。
- 目安期間: 約1ヶ月~2ヶ月
ただし、正規サービスで修理した場合、その修理箇所に対して「24ヶ月(2年間)」という長期の修理保証が付与されます。これは大きな安心材料といえるでしょう。
【パスB】民間修理専門店の「無料郵送パック」とは?
手厚い梱包材が自宅に届くサービス
一方で、民間の修理専門店が提供しているのが、「無料郵送パック」や「宅配修理キット」と呼ばれるサービスです。
これは、カルティエ公式とはまったく異なり、申し込みをすると、時計やジュエリーを安全に送るための「物理的な梱包キット」が自宅に届くサービスです。
高価な品物を郵送する際の「どうやって梱包すればいいか分からない」「配送中に壊れたらどうしよう」というユーザーの強い不安を解消するために設計されています。
民間専門店の「無料郵送パック」依頼の流れ
民間専門店のプロセスは、公式と比べて非常に手軽なのが特徴です。
ステップ1:Webサイトからパックを申し込む
修理専門店のWebサイトから「無料郵送パック」を申し込みます。
この時点では、費用は一切かかりません。
ステップ2:届いたキットで梱包し返送する(送料無料)
数日すると、自宅に専用の梱包キットが届きます。
中身は業者によって異なりますが、専用の箱、時計やジュエリーを保護するスポンジなどの緩衝材、そして宛先が印字された「着払い伝票」などがすべてセットになっています。
あなたは、説明書通りに製品を詰め、伝票を貼って発送するだけです。往復の送料も無料(またはキャンセル時のみ返送料負担)の場合がほとんどです。
ステップ3:見積もりを確認し修理を決定する
製品が工房に到着すると、専門の技術者が見積もりを作成し、メールなどで連絡が来ます。
その金額と修理内容に納得すれば修理を依頼し、もし納得できなければキャンセルも可能です。
(※ただし、キャンセル時の返送料は自己負担となるケースがあるため、事前に確認が必要です。)
民間修理専門店のサービス例
民間専門店の「郵送パック」は、ユーザーの不安を取り除く工夫が凝らされています。
梱包キットの中身(緩衝材や伝票)
例えば、ある専門工房では、二重蓋の頑丈なボックス、製品を固定する2枚のスポンジ、密封性の高いビニールパック、着払い伝票、修理申込書などがすべて同梱されています。
ユーザーは、梱包材を自分で用意する必要が一切ありません。
郵送事故への補償や取り組み
多くの専門店では、配送保険に加入しており、万が一の郵送事故(紛失・破損)にも備えています。
中には、配送品質のチェック機能として「ビスケット」を同梱するユニークな工房もあります。これは、もしビスケットが割れていたら配送が乱暴だった可能性がある、という目安になるものです。
こうした手厚いサポートが、民間専門店の大きな強みとなっています。
徹底比較!公式サービス vs 民間修理専門店

では、カルティエの修理を依頼するにあたり、「公式(パスA)」と「民間(パスB)」のどちらを選ぶべきなのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットを、ご提供いただいたデータに基づき、客観的に比較します。
比較表で見るコスト・期間・保証の違い
※ご注意ください: 以下の料金・期間はすべて一般的な目安です。実際の金額や期間は、製品の状態や依頼する専門店によって異なります。最終的な判断は必ず見積もりを取得した上でご判断ください。
| 比較項目 | カルティエ公式 (パスA) | 民間修理専門店 (パスB) |
|---|---|---|
| “キット”の正体 | 自己梱包(依頼シートを印刷) | 物理キット(梱包材が届く) |
| 梱包の手間 | すべて自己責任(赤い箱はNG) | 最小限(キットに詰めるだけ) |
| 電池交換 | ¥9,240~ | ¥2,500~¥5,000程度 |
| OH (クォーツ) | ¥44,000~ | ¥19,800~ |
| OH (機械式) | ¥66,000~ | ¥26,950~ |
| OH (クロノグラフ) | ¥83,600~ | ¥37,950~ |
| 修理期間 | 1~2ヶ月 | 2週間~1.5ヶ月 |
| 修理保証 | 24ヶ月 | 店舗による(例:12ヶ月 or 24ヶ月) |
公式(正規)サービスのメリット・デメリット
メリット:絶対的な信頼と資産価値の維持
公式サービスの最大のメリットは、「安心感」と「資産価値の維持」です。
- 100%純正部品: 修理交換には必ずカルティエの純正部品が使用されます。
- 資産価値の維持: 将来、その製品を売却する(手放す)際、「カルティエで正規修理を受けた」という履歴は、査定額の維持に直結します。
- 長期保証: 修理箇所に対する24ヶ月の長期保証は、他の何物にも代えがたい安心材料です。
デメリット:高額な料金と長い期間
一方のデメリットは、比較表の通り「コスト」と「時間」です。
- 高額な料金: 民間専門店の1.5倍~2倍以上の料金がかかります。
- 長い修理期間: 修理に1ヶ月以上かかるため、その間、製品が手元から離れます。
- 梱包の手間: 物理キットが届かないため、梱包の手間とリスクを自分で負う必要があります。
民間修理専門店のメリット・デメリット
メリット:正規の半額以下になるコスト
民間専門店の最大の魅力は、なんといっても「コストパフォーマンス」です。
- 圧倒的な価格差: オーバーホール(機械式)の場合、公式の半額以下(¥66,000~ vs ¥26,950~)で済むケースもあります。
- 手軽さ: 「無料郵送パック」により、梱包の手間や不安が最小限で済みます。
- 迅速な対応: 修理期間が比較的短い傾向にあります。
デメリット:資産価値低下と非純正部品のリスク
しかし、このコストメリットには、表裏一体の潜在的なリスクが伴います。このリスクを理解することが非常に重要です。
- 資産価値の低下: 民間専門店で修理(特に部品交換や研磨)を行うと、将来売却する際に「非正規の修理品」とみなされ、査定額が大幅に下がる可能性があります。
- メーカー保証の失効: 購入後の保証期間内に民間修理店で裏蓋を開けたりすると、その時点でカルティエの正規保証はすべて失効します。
- 非純正部品の使用: コストを下げるため、汎用の部品(非純正パーツ)が使われる可能性があります。これにより、将来的な動作不良や防水性の喪失につながるリスクもゼロではありません。
結局どこがいい?カルティエ修理依頼先の最適な選び方

「公式」と「民間」、どちらにも明確なメリットとデメリットがあることが分かりました。
郵送修理(修理キット依頼)だけでなく、店舗への「持ち込み」も含め、あなたが取るべき最適な選択肢を整理します。
選択肢1:正規ブティックへの「持ち込み修理」
最も伝統的で、安心感が最も高い方法です。
近隣にカルティエのブティックがある場合、これが最善の選択肢となることが多いです。専門のスタッフに製品の状態を直接見てもらい、相談しながら修理を依頼できます。
「カルティエは入りづらい?【初心者ガイド】見るだけ・服装の疑問」で解説しているように、ブティックは修理や相談だけでも温かく迎えてくれます。
選択肢2:正規の「郵送修理(パスA)」
ブティックが近くにない、あるいは訪問する時間がない場合の次善策です。
物理キットは届きませんが、「公式の安心感」と「資産価値の維持」を優先するなら、この方法を選ぶべきでしょう。梱包の手間はかかりますが、正規の修理履歴を残すことができます。
選択肢3:民間の「郵送修理パック(パスB)」
「コスト」を最優先し、手軽に修理を済ませたい場合の方法です。
ただし、前述の「資産価値の低下」や「保証失効」のリスクを十分に理解し、許容できる場合に限られます。
【結論】状況別のおすすめ依頼先
あなたの状況に合わせて、選ぶべき依頼先を結論付けます。
保証期間内・資産価値を最重要視する人
→ 迷わず「正規ブティックへの持ち込み」または「正規の郵送修理(パスA)」を選んでください。
特に購入したばかりの高額モデルや、将来的に売却する可能性が少しでもある場合は、絶対に正規サービスを利用すべきです。民間修理店で数万円を節約した結果、将来の売却時に数十万円の損をする可能性があるからです。
修理費用を少しでも安く抑えたい人
→ 「民間修理専門店の郵送修理パック(パスB)」が選択肢になります。
ただし、これはメーカーの保証期間が完全に切れていること、そして「将来的に売却する予定がない(資産価値が下がっても構わない)」ことが大前提です。
長年愛用している古いモデルやヴィンテージ品で、とにかく動作を回復させたい、といった場合には有効な選択肢といえるでしょう。
アイテム別!カルティエ修理の料金相場と内容

修理キット(郵送修理)で依頼されることが多い、アイテム別の修理内容と料金目安を見てみましょう。
※重ねてとなりますが、以下の料金はすべて一般的な目安です。 製品の素材(ゴールド、プラチナなど)や状態、モデルによって費用は大きく異なります。必ず見積もりで最終確認を行ってください。
時計の修理(オーバーホール・電池交換)
時計修理は最も需要が多く、公式と民間の価格差が顕著に出る分野です。
正規オーバーホール料金(ムーブメント別)
- クォーツ(電池式):¥44,000~
- 機械式(自動巻き・手巻き):¥66,000~
- 機械式クロノグラフ:¥83,600~
正規の電池交換料金
- 電池交換サービス:¥9,240~
民間専門店の修理料金目安
- 電池交換:¥2,500~¥5,000程度
- オーバーホール(クォーツ):¥19,800~
- オーバーホール(機械式):¥26,950~
ジュエリーの修理(指輪・ネックレス)
時計だけでなく、ジュエリーの修理も郵送で受け付けています。
指輪(リング)のサイズ直し
正規サービス、民間ともに対応可能です。
トリニティリングなど、デザインによってはサイズ直しが難しい場合もあります。また、変色が気になる場合は、素材別の対処法を知っておくことも重要です。なぜ?カルティエのトリニティリングの変色【素材別】原因と直し方で詳しく解説しています。
- 民間専門店の目安:¥13,200~
ネックレスのチェーン切れ
チェーンが切れてしまった場合も、溶接修理が可能です。
- 民間専門店の目安:¥13,200~
ラブブレスのネジ紛失
ラブブレスの専用ネジを紛失した場合、民間専門店ではネジの「作成」で対応するケースがあります。ただし、これは非純正品となるため注意が必要です。
日頃からネジが緩まないよう、カルティエのダムールブレスレットはつけっぱなしOK?お風呂は?の記事で解説しているような、つけっぱなしのリスク管理も参考にしてください。
- 民間専門店の目安:ネジ作成 ¥38,000~ + 新品仕上げ ¥18,000~
財布・バッグの修理について
正規店での対応状況
カルティエの財布やバッグなどの革製品についても、正規店で修理を受け付けています。
ただし、状態やモデルによっては修理不可となるケースもありますので、まずはブティックやカスタマーサービスに相談するのが確実です。
革製品専門の修理店に相談
もし正規店で修理を断られた場合や、費用を抑えたい場合は、ブランド品の革製品を専門に扱う修理店に相談するのも一つの方法です。
保証書なし?カルティエの修理キット以外の疑問解消

Q1:保証書なしでも修理は可能か?
A1:はい、可能です。
カルティエの正規サービスは、保証書(ギャランティカード)がなくても修理を受け付けてくれます。
保証書はあくまで「購入から一定期間、無償で修理を受けられる」ためのものであり、それがないからといって有償の修理が拒否されることはありません。
ただし、保証期間内(現在は多くの製品が8年保証)であれば無償で対応してもらえる修理も、保証書がなければ有償となりますのでご注意ください。
Q2:修理キットとクリーニングキットの違いは?
A2:「修理キット(郵送修理)」は有料の修理サービスを指しますが、「クリーニングキット」はブティックで無料でもらえるお手入れ用品を指します。
この2つはまったくの別物です。
カルティエでは、ブティックに製品を持ち込むと、無料で洗浄(クリーニング)サービスを受けられます。
クリーニングキットのもらい方(無料サービス)
カルティエのブティックでジュエリーや時計を購入した際や、前述の無料クリーニングサービスを利用した際に、「ご自宅でもお手入れされますか?」と尋ねられることがあります。
この時に「はい」と答えると、専用の洗浄液やブラシが入った「クリーニングキット(ケアキット)」を無料でもらえる場合があります。
これは郵送で取り寄せるものではなく、ブティックでの対面サービスの一環として提供されるものです。
Q3:修理の見積もりだけでも可能か?
A3:はい、可能です。ただし、キャンセル時に費用がかかる場合があります。
正規サービスの見積もり
正規サービス(持ち込み・郵送)では、まず見積もりが提示され、その金額に合意して初めて修理がスタートします。
見積もり金額に納得できずキャンセルしても、原則としてキャンセル料はかかりません。
民間専門店のキャンセル料
民間専門店でも無料で見積もりを取得できます。
ただし、郵送修理パックを利用した場合、修理をキャンセルした際の「返送料」のみ自己負担(例:¥1,200程度)となるケースがあります。
これは、工房側が往路の送料や梱包キット代を負担しているためです。トラブルを避けるためにも、申し込み前にキャンセルポリシーを必ず確認しましょう。
【まとめ】カルティエの修理キット依頼は公式と民間どちらが正解か
カルティエの修理キット(郵送修理)について、公式と民間の違いを徹底的に解説しました。
【パスA:カルティエ公式】
- 物理的なキットは届かず、自分で「依頼シート」を印刷し、自己梱包・自己責任で発送する。
- 料金は高額(民間の約2倍)だが、100%純正部品で修理され、資産価値が維持される。
- 修理保証は安心の24ヶ月。
【パスB:民間修理専門店】
- 物理的な「無料郵送パック」が自宅に届き、梱包の手間が最小限で済む。
- 料金は公式の半額以下になることもあり、コストメリットが非常に大きい。
- ただし、資産価値の低下やメーカー保証失効といった重大なリスクを伴う。
結論として、「カルティエの修理キット」を依頼する際の正解は、あなたが何を優先するかによって決まります。
資産価値と絶対的な安心感を守りたいなら、迷わず「公式サービス(パスAまたはブティック持ち込み)」を選びましょう。
メーカー保証が切れ、資産価値が下がっても良いからコストを最優先したい場合にのみ、「民間サービス(パスB)」が選択肢となります。
ご自身の状況と、そのカルティエ製品への想いを天秤にかけ、最適な修理方法を選んでください。
カルティエの修理に関するFAQ
カルティエの修理に関して、多くの人が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q. カルティエの修理料金はなぜ高いのですか?
A. カルティエの正規修理料金が高額なのには理由があります。
まず、スイスの専門工房で訓練を受けた技術者が、純正の専用工具を用いて作業にあたること。次に、交換部品はすべて100%カルティエ純正品であり、その品質が保証されていること。そして、修理後には24ヶ月という長期の国際修理保証が付与されるためです。
これらすべてが、ブランドの品質と資産価値を維持するためのコストとして価格に反映されています。
Q. 時計のオーバーホールは本当に必要ですか?
A. はい、機械式時計や長年使用しているクォーツ時計には必要です。
時計は精密機械であり、内部の油は時間とともに劣化・蒸発します。油が切れたまま使い続けると、歯車が摩耗し、やがて大きな故障につながります。
一般的に、機械式時計は3~5年に一度、クォーツ時計は7~10年に一度のオーバーホール(コンプリートサービス)が推奨されます。定期的なメンテナンスが、時計の寿命を延ばす最善の方法です。
Q. 民間修理店で修理したら、もう二度と正規店で修理できませんか?
A. いいえ、基本的には有償で修理を受け付けてもらえます。
ただし、民間修理店で非純正の部品に交換されていたり、内部の改造が施されていたりする場合、「正規の状態に戻す」ための追加費用(純正部品代など)が通常よりも高額になる可能性があります。
また、深刻な改造や偽造品の疑いがある場合は、修理を拒否されるケースもゼロではありません。
Q. 見積もり後のキャンセルは本当に無料ですか?
A. カルティエの正規サービス(ブティック持ち込み・公式郵送)では、見積もり後のキャンセルに費用はかかりません。
ただし、民間の修理専門店に「無料郵送パック」で依頼した場合、修理をキャンセルすると「返送時の送料」のみお客様負担(例:¥1,200程度)となることが一般的です。申し込み前に、各専門店のキャンセルポリシーを必ず確認しましょう。

