カルティエのボールペンは、持つだけで気分が高まる特別なアイテムです。
しかし、その一方で「純正の替え芯が高価すぎる」「もう少し滑らかな書き味が欲しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
「もし、あの滑らかなジェットストリームの替え芯が、このカルティエのボールペンで使えたら…」そう考えたことはありませんか?
結論から言うと、その願いは「G2規格」を採用しているモデルであれば、実現が可能です。
ただし、カルティエにはジェットストリームと互換性が「ある」モデルと「ない」モデルが混在しており、正しい知識がないと失敗してしまいます。
この記事では、あなたのカルティエのボールペンを最強の一本に変えるための、ジェットストリーム替え芯の互換性、正しいリフィルの選び方、そして交換方法まで、徹底的に解説します。
- 互換性があるモデル(G2規格)とないモデル(独自スリム規格)の見分け方
- 使用すべきジェットストリーム替え芯の「正解」(SXR-600シリーズ)
- 無加工でOK!誰でもできる具体的な交換手順
- ジェットストリーム以外のG2規格おすすめリフィル
カルティエのボールペンにジェットストリーム替え芯は使える?【G2規格編】

カルティエのボールペン本体、例えばCARTIER(カルティエ) OP000378 SANTOS DE CARTIER サントス ドゥ カルティエボールペン バーガンディ×ゴールドフィニッシュのような美しいデザインを持っていると、その書き味にもこだわりたくなるものです。
「ジェットストリームのあの滑らかな書き味を、カルティエで実現したい」
このニーズは非常に多く、そしてその答えは「条件付きで可能」です。
鍵となるのは、あなたのカルティエが「G2規格」を採用しているかどうか、ただ一点にかかっています。
結論:G2規格モデルならSXR-600で可能

カルティエのボールペンリフィル(替え芯)には、大きく分けて2つのタイプが存在します。
- G2規格(パーカータイプ)
- 独自スリム規格
このうち、「G2規格」を採用しているペン(例えばサントス、ロードスター、ディアボロなど)であれば、三菱鉛筆がG2規格準拠で製造している「SXR-600」シリーズの替え芯が、原則として無加工で装着可能です。
一方で、「独自スリム規格」を採用しているペン(旧型のマスト ドゥ カルティエやパンテールなど)は、物理的な形状が全く異なるため、ジェットストリームの芯とは一切の互換性がありません。
この「2種類のカルティエ」が混在していることが、インターネット上で「使えた」「使えなかった」という情報が錯綜する最大の原因となっています。
なぜジェットストリーム化が人気なのか

多くの愛用者がカルティエのボールペンをジェットストリーム化しようと試みる背景には、明確な2つの動機があります。
1. 筆記性能(書き味)のアップグレード
カルティエの純正リフィルも高品質ですが、伝統的な油性インクの特性上、「書き始めがかすれる」「インクの出が重い」と感じる人もいるようです。
対照的に、ジェットストリームは「クセになる、なめらかな書き味」で世界的に評価される低粘度油性インクです。
「カルティエという最高のボディ(筐体)」と「ジェットストリームという最高のエンジン(インク)」を組み合わせ、自分だけの一本を完成させたいというニーズは、非常に合理的といえます。
2. コストパフォーマンス(価格)
第二の理由は、ランニングコストです。
カルティエの純正リフィル、例えば(カルティエ)Cartier ボールペン 替え芯 リフィル VXRB0513 ブルー(M)などは、非常に高価です。
公式ストアでの定価は1,000円を超え、ECサイトなどでは1本2,000円から3,000円程度で販売されているケースも少なくありません。
対して、互換性のあるジェットストリーム「SXR-600」シリーズの定価は660円(税込)です。
日常的にペンを使う人にとって、この価格差は非常に大きく、より安価で高性能な代替品が求められるのは自然な流れでしょう。
コストと書き味の比較
以下に、純正リフィルとSXR-600の主な違いをまとめます。
| 比較項目 | カルティエ純正リフィル (G2規格) | ジェットストリーム SXR-600 |
|---|---|---|
| インク種類 | 伝統的な油性インク | 低粘度油性インク(ジェットストリームインク) |
| 書き味 | 重厚感があり、しっかりとした書き心地 | 非常に滑らかで、筆圧が低くても濃く書ける |
| 参考価格 | 約1,080円〜3,000円 | 定価660円(税込) |
| 主な特徴 | ブランドのステータス、公式の安心感 | 圧倒的な滑らかさ、速乾性 |
※価格はあくまで一般的な目安であり、時期や販売店によって変動します。正確な情報は各販売サイトにてご確認ください。
互換性の鍵「G2規格(パーカータイプ)」とは

ジェットストリーム化の鍵を握る「G2規格」とは何でしょうか。
これはもともとパーカー社が採用していたリフィルの形状で、現在では「ISO 12757-2 G2」として国際的に標準化された規格です。
「パーカータイプ」や「ヨーロッパタイプ」とも呼ばれます。
最大の特徴は、リフィルの長さが約98.7mmである点です。
この規格の最大のメリットは、ブランドの垣根を越えてリフィルに互換性があることです。
カルティエの多くの現行モデルがこのG2規格を採用しているため、パーカーはもちろん、ペリカン、デュポン、そして三菱鉛筆(ジェットストリーム)など、他社製のG2リフィルを選べる自由が生まれます。
適合するジェットストリーム芯「SXR-600」シリーズ
G2規格のカルティエペンに無加工で適合するジェットストリームリフィルは、「SXR-600」シリーズです。
ここで絶対に間違えてはいけないのは、一般的なノック式ジェットストリーム(SXR-5やSXR-7)や、多機能ペン用のSXR-80などとは全くの別物であるという点です。
SXR-600は、主に「ジェットストリーム プライム」の回転繰り出し式シングルモデル用に開発された、金属製のG2規格(パーカータイプ)専用リフィルです。
これこそが、カルティエのG2規格ペン(サントス、ロードスターなど)にそのまま収まる「答え」となります。
SXR-600のボール径とインク色
SXR-600シリーズは、インク色は黒のみですが、ボール径(太さ)で選択肢があります。
好みに合わせて選ぶことが可能です。
これらの仕様は、三菱鉛筆の公式サイトでもG2規格準拠(パーカータイプ)であることが明記されています。
G2規格へのSXR-600装着ステップ

G2規格のカルティエペン(ロードスターやサントスなど)へのSXR-600の装着は、驚くほど簡単です。
- カルティエのペン本体(胴軸)を回転させて分解します。
- 中に入っている使用済みのカルティエ純正リフィル(例:VXRB0511)を取り出します。
- 新しい「ジェットストリーム SXR-600」リフィル(例:SXR-600-38)を挿入します。
- ペン本体を元通りに締め直します。
基本的にはこれだけで交換は完了します。
実際に試した多くのユーザーから「無加工で普通に使えた」との報告が上がっており、その有効性が確認されています。
純正リフィルのスプリングに関する注意点
交換の際、一つだけ注意点があります。
それは、カルティエの純正リフィルに、脱落防止用の小さなスプリング(バネ)が装着されている場合があることです。
このスプリングは、SXR-600のリフィルには不要です。
むしろ、装着したままSXR-600を挿入しようとすると、ペン先がうまく収まらない原因になります。
純正リフィルを取り出す際に、このスプリングも一緒に取り外し、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
もし将来、純正リフィルに戻したくなった場合に必要となります。
【モデル別】カルティエのボールペン替え芯とジェットストリーム互換性ガイド

カルティエのボールペンをジェットストリーム化する際、最大の失敗は「互換性のないモデル」の所有者が、互換性のあるSXR-600を購入してしまうことです。
このセクションでは、失敗を確実に防ぐため、モデル別の互換性について詳しく解説します。
【重要】互換性がない「独自スリム規格」モデルの見分け方
前述の通り、カルティエの全てのペンがG2規格ではありません。
特にスリムなデザインの旧モデルは、ジェットストリームのリフィルとは一切の互換性がない「独自スリム規格」を採用しています。
これらのモデルの所有者は、残念ながらジェットストリーム化を諦め、高価ですが純正の専用リフィルを探す以外の選択肢がありません。
独自スリム規格リフィルの物理的な特徴
なぜこれらのモデルが互換性を持たないのかは、リフィルの物理的な形状を見れば一目瞭然です。
- 規格名: Cartier Slimline Ballpoint Refill(カルティエ スリムライン)
- 長さ: 約95.3mm(G2規格の約98.7mmとは異なる)
- 形状: 最大の特徴は、リフィル自体が「ペンの先端(コーン)部分全体を含んでいる」ことです。
インクカートリッジとペン先が一体化した特殊な部品であり、SXR-600(G2規格)のような一般的なリフィルを挿入するスペースが物理的に存在しません。
したがって、後述するアダプターを使ったハックも不可能です。
互換性マスターガイド(モデル別一覧表)
以下の表は、所有するペンがどちらの規格に該当するかの判断基準です。
ただし、モデル名は非常に似ているものがあるため、最終的にはご自身のペンのリフィル形状を(可能であれば)一度確認することをおすすめします。
| カルティエ ペンモデル | リフィル規格 | ジェットストリーム 互換性 | 推奨される解決策 |
|---|---|---|---|
| ロードスター ドゥ カルティエ | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| サントス ドゥ カルティエ | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| サントス-デュモン | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| トリニティ | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| ディアボロ ドゥ カルティエ | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| R ドゥ カルティエ | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| C ドゥ カルティエ | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| マストⅡ(Must II) | G2(パーカータイプ) | あり | SXR-600 直装 |
| マスト ドゥ カルティエ(旧スリム) | 独自スリム規格 | なし | 互換性なし |
| パンテール(スリム) | 独自スリム規格 | なし | 互換性なし |
| ヴァンドーム(スリム) | 独自スリム規格 | なし | 互換性なし |
マストとマストⅡは別物?モデル特定の注意点
互換性を見極める上で最も混乱しやすいのが「マスト」という名称です。
- マスト ドゥ カルティエ(旧スリム): 独自規格で互換性はありません。
- マストⅡ(Must II): G2規格と互換性があります。
これらは、異なる規格を採用した全く別のモデルである可能性が非常に高いです。
「マスト」という名前だけで判断せず、ペンの太さやリフィルの形状をよく確認することが重要になります。
上級編:アダプターでD1規格芯(SXR-200)を使う方法

「SXR-600には好みの太さや色がない」「0.38mmよりさらに細い芯が使いたい」
そんな上級者の方には、別のアプローチが存在します。
それは、G2規格のペン本体に「リフィルアダプター」と呼ばれるスペーサーを装着し、より小型の「D1規格」リフィルを使用可能にする方法です。
この方法を実践するには、以下の3点が必要になります。
- ペン本体: G2規格のカルティエペン(上記テーブル参照)
- アダプター: G2規格(パーカータイプ)をD1規格に変換するアダプター(例:UNUS社製 パーカーボールペン対応アダプターなど)
- リフィル: D1規格のジェットストリームリフィル(例:SXR-200 シリーズ)
アダプター方式のメリットとデメリット
この方法は、SXR-600を直接装着する方法(解決策A)と比較して、一長一短があります。
解決策A (SXR-600 直装)
- 長所: 最もシンプルです。アダプターという小さな部品を紛失するリスクがなく、ペン内部でのガタつき(筆記時のがたつき)も最小限に抑えられます。
- 短所: SXR-600シリーズで提供されているボール径(0.38, 0.5, 0.7mm)とインク色(主に黒)に限られます。
解決策B (アダプター + D1規格)
- 長所: D1規格リフィル(SXR-200など)の膨大な選択肢を活用できます。これには、0.38mm / 0.5mm / 0.7mm の黒・赤・青・緑といった多彩な選択肢が含まれます。
- 短所: アダプターとリフィルの2点を購入する必要があります。また、部品を介在させるため、組み合わせによってはペン先に僅かな「遊び」や「ガタつき」が発生する可能性があります。
まずはSXR-600シリーズを試し、満足できない場合にアダプター方式を検討するのが良いでしょう。
ジェットストリーム以外のG2規格おすすめ替え芯
カルティエのG2規格ペンは、ジェットストリーム以外にも多くの高品質なリフィルに対応しています。
もしジェットストリームの書き味が好みでない場合や、他の選択肢も試したい場合は、以下のリフィルも検討する価値があります。
Schmidt(シュミット)Easyflow 9000
ドイツのシュミット社が誇る「イージーフロー 9000」は、「ハイブリッドインク」の先駆け的存在です。
ジェットストリームの「低粘度油性」に非常に近い、極めて滑らかな書き味が特徴で、世界中にファンがいます。
Pelikan(ペリカン)337
ドイツの老舗ペリカン社が作るG2リフィルの定番「337」。
インク容量が多く、長期間の使用に適していると評価されています。安定した伝統的な油性インクの書き味を好む方におすすめです。
Monteverde(モンテベルデ)SoftRoll
アメリカのモンテベルデ社が展開する「ソフトロール」シリーズも人気です。
伝統的な油性インクの滑らかさを追求しつつ、最大の特徴はブルーブラック、ブラウン、パープル、ターコイズなど、非常に多彩なインク色を展開している点です。
純正品や安価な互換品の選択肢
もちろん、ジェットストリーム化だけが選択肢ではありません。
純正品や、その他の安価な互換品についても見ていきましょう。
カルティエ純正リフィルの価格と特徴
カルティエ純正リフィルの最大の魅力は、そのブランドが持つ「安心感」と「ステータス」です。
価格は高価ですが、「カルティエのペンにはカルティエの芯を使う」というこだわりを持つことは、筆記具を愛する上で非常に重要でしょう。
また、万が一の不具合の際にも、メーカーのサポートを受けられるのは純正品ならではのメリットです。
安価なG2互換リフィルの実態
オンラインマーケットでは、ブランド名のない安価な「互換リフィル(互換品)」も多数販売されています。
これらは純正リフィル(VXRB0511など)との互換性を謳い、サントスやロードスターに適合すると記載されています。
価格は純正品の1/3程度で販売されているものもあり、コスト削減を最優先する場合には選択肢になるかもしれません。
ただし、これらはあくまで「コスト削減」を目的とした代替品です。インクの品質や耐久性については、製品によってバラツキがある可能性も考慮する必要があります。
コストを削減しつつ筆記性能を「アップグレード」するという目的においては、やはりSXR-600(ジェットストリーム)が最もバランスの取れた選択肢であるといえます。
カルティエのボールペンをジェットストリーム替え芯で最強にする方法まとめ
カルティエのボールペンをジェットストリーム化することは、正しい知識さえあれば誰でも可能です。
この記事で解説した内容を、最後にもう一度おさらいしましょう。
- ステップ1:ペンモデルの特定
あなたのペンが「G2規格(サントス、ロードスター等)」か「独自スリム規格(旧マスト、パンテール等)」かを【互換性マスターガイド】で確認します。 - ステップ2:【独自スリム規格】の場合
残念ながら互換性はありません。改造は不可能ですので、純正の専用リフィルを探してください。 - ステップ3:【G2規格】の場合
互換性ありです。最も簡単な方法は、三菱鉛筆の「ジェットストリーム SXR-600」(0.38 / 0.5 / 0.7mm)を購入し、純正リフィルと交換することです。 - ステップ4:代替リフィルの検討
ジェットストリーム以外なら、シュミットのEasyflow 9000や、ペリカンの337なども同じG2規格として使用が可能です。
すべての交換や改造は、メーカーの保証対象外となる可能性があります。
最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。
カルティエの美しいデザインと、ジェットストリームの滑らかな書き味を手に入れた「最強の一本」で、あなたの筆記体験がより豊かなものになることを願っています。
カルティエのアイテムは、ペン以外にも魅力的なものが多くあります。
例えば、5万円以下で賢く選ぶアイテムや、メンズ時計の魅力についても、知っておくと世界が広がるかもしれません。


カルティエのボールペンと替え芯に関するFAQ
カルティエのボールペンや替え芯の互換性に関して、多くの方が抱く疑問や不安をまとめました。
ジェットストリームの替え芯はどこで買えますか?
この記事で推奨しているG2規格互換の「SXR-600」シリーズは、文房具専門店のほか、Amazonや楽天市場などのオンラインストアで簡単に入手可能です。
SXR-600-38(0.38mm)のように、ボール径を指定して検索すると見つけやすいでしょう。
一般的なノック式ジェットストリーム用の替え芯(SXR-5など)とは異なるため、購入時には型番をよく確認してください。
カルティエの純正リフィルはどこで買えますか?
カルティエの純正リフィルは、カルティエのブティック(直営店)や正規取扱店、または公式オンラインストアで購入するのが最も確実です。
また、AmazonなどのECサイトでも純正リフィルが取り扱われている場合があります。
ブティックへの訪問に不安がある方は、カルティエの店舗が入りづらいと感じる方向けのガイドも参考にしてみてください。

パーカー(PARKER)の芯はカルティエに使えますか?
はい、あなたのカルティエが「G2規格」を採用しているモデルであれば、パーカーの純正リフィル(クインクフローなど)も使用可能です。
なぜなら、G2規格はもともとパーカーが採用した規格であり、「パーカータイプ」とも呼ばれているためです。ジェットストリームの滑らかさとは異なる、伝統的な油性インクの書き味を好む方には良い選択肢となります。
間違えて互換性のない芯を買わないためにはどうすればよいですか?
最も確実な方法は、一度ご自身のカルティエのボールペンを分解し、中に入っているリフィル(芯)の「形状」と「長さ」を確認することです。
リフィルの長さが約98.7mmで、一般的なボールペンの替え芯の形をしていれば「G2規格」です。
一方で、リフィル自体がペンの先端部分と一体化している特殊な形状であれば「独自スリム規格」であり、互換性はありません。

