ふと手元を見た瞬間、愛用しているカルティエの時計のリューズから、あの美しい青い石が消えていることに気づき、血の気が引くような思いをした経験はないでしょうか。何かにぶつけた記憶もないのに、あるいは少し引っかけただけでポロリと取れてしまったその姿を見て、「偽物のように見えてしまう」「もう価値がなくなったのではないか」と強い不安に襲われているはずです。
まず、安心してください。リューズの石が取れたとしても、時計の心臓部であるムーブメントが無事であれば、それは致命的な故障ではありません。しかし、ここで最もやってはいけないのが、「アロンアルフアなどの瞬間接着剤で、自分でつけ直そうとする」ことです。この一瞬の判断ミスが、数千円で済むはずだった修理を、10万円を超える高額なオーバーホール案件へと変えてしまうケースを私は数多く見てきました。
この記事では、カルティエのタンクやサントス、バロンブルーなどを愛用するオーナー様に向けて、石が取れた際の正しい初期対応から、正規サービスと民間修理店のリアルな費用比較、そして絶対に知っておくべきDIYのリスクまで、専門的な知見に基づいて徹底的に解説します。大切な時計を二次災害から守り、最も賢い選択をするための手引きとして活用してください。
- 石が取れた直後に絶対に行ってはいけない「セロハンテープ固定」のリスク
- 瞬間接着剤が引き起こす「白化現象」と「内部固着」の科学的メカニズム
- タンク、サントスなどモデルごとの石の素材(サファイア・スピネル)の違い
- 正規修理(約5万円〜)と民間修理(約5,500円〜)の料金とメリットの完全比較
焦らないで!カルティエのリューズの石が取れた直後の3つの初期対応

石が取れたことに気づいた瞬間、焦ってその場で適当な処置をしてしまうのが一番危険です。まずは深呼吸をして、状況に応じた以下の3つのステップを確実に踏んでください。この初動対応が、後の修理費用と仕上がりを大きく左右します。
石が手元にある場合:セロハンテープは絶対禁止
もし運良く、取れてしまった青い石(カボションやファセットカットされた石)が手元にある、あるいは落ちているのを見つけた場合は、それを宝物のように扱ってください。純正の石が残っているだけで、修理費用は大幅に抑えられます。
ここで多くの人がやってしまう致命的なミスが、「リューズの石座に石を戻し、上からセロハンテープで留める」という行為です。これは絶対に避けてください。理由は以下の通りです。
- 接着阻害: テープの粘着成分(糊)が石やリューズの金属面に付着して残ります。プロが再接着を行う際、この糊を完全に除去する工程が増え、最悪の場合、接着強度が落ちて再発の原因になります。
- 紛失リスク: テープの隙間から石が滑り落ちて紛失するケースが後を絶ちません。
正しい保管方法:
石はチャック付きの小さなポリ袋(パケ)に入れ、時計とは別に保管してください。ティッシュに包むのも、誤ってゴミとして捨ててしまうリスクがあるため推奨しません。
石を紛失した場合:リューズの穴をどう保護する?
残念ながら石が見つからない場合でも、諦める必要はありません。カルティエのリューズに使用される石は、モデルによっては汎用的な形状のものもあり、修理店で用意できるケースが多いからです。
石がなくなったリューズは、金属のカップ状の窪み(石座)がむき出しになっています。ここには汚れやゴミが非常に溜まりやすい状態です。
- 水気に注意: 石が取れたことで、リューズ自体の防水性が直ちにゼロになるわけではありませんが、接着剤の剥離跡から湿気が入り込みやすくなっています。手洗いの際の水はねや、雨にはこれまで以上に注意してください。
- 保護措置: 特段の保護シールなどを貼る必要はありませんが、ファンデーションやハンドクリームが窪みに入り込まないよう、修理に出すまでは着用を控えるか、長袖で覆うなどの配慮を推奨します。
時計は動いている?リューズ操作の確認事項
石は「リューズの装飾」であると同時に、リューズを回す際の「指がかり」としての機能も担っています。石が取れた状態でも、時計の針は動いていますか?
- 動いている場合: 緊急性は低いです。ムーブメントへの直接的なダメージはないと考えられます。
- 止まっている場合: 石が取れた際の衝撃で内部機構にダメージがいった可能性があります。あるいは、リューズを引こうとして石だけが取れ、時計は時刻合わせモード(ハック機能)で止まっているだけかもしれません。
ここで無理にリューズを爪で引き出そうとしたり、強く回そうとしないでください。石がない状態での操作は指を痛めるだけでなく、リューズの軸(巻真)に横方向の無理な力がかかりやすく、折損の原因になります。
【警告】なぜ「自分で接着」は絶対ダメなのか?科学的リスクを解説

インターネットで検索すると、「自分で直しました」というブログや動画が出てくることがありますが、時計修理のプロの視点から言えば、これは「ロシアンルーレット」のような危険な行為です。なぜ、たった一滴の接着剤が時計を再起不能にするのか。その理由を科学的・機械的なメカニズムから詳しく解説します。
瞬間接着剤が引き起こす「白化現象(ブルーミング)」の恐怖
ホームセンターやコンビニで手に入る「アロンアルフア」などの瞬間接着剤は、主に「シアノアクリレート」という成分でできています。これが硬化する際、周囲に揮発成分(ガス)を発生させます。
このガスが、時計のサファイアガラスや、美しく研磨されたステンレス、ゴールドのケースに付着し、空気中の水分と反応して白い粉状のポリマーを形成します。これを「白化現象(Blooming)」と呼びます。
- 除去困難: 一度白化してしまうと、単に拭き取るだけでは落ちません。研磨剤で磨き落とす必要があり、サファイアガラスのコーティングを剥がしてしまったり、ゴールドケースの刻印を薄くしてしまうリスクがあります。
- 美観の喪失: カルティエ特有の上品な輝きが、白く濁った汚れによって台無しになります。数千円をケチった結果、時計の価値をゼロにしてしまうのです。
ムーブメントへの浸透:毛細管現象による致命的故障
接着剤は液体です。リューズの石座に接着剤を垂らした瞬間、「毛細管現象」が発生します。これは、液体が微細な隙間を重力に逆らってでも浸透していく物理現象です。
石座の底には目に見えない微細な隙間があることが多く、そこから接着剤がリューズの内部、さらにはリューズの軸(巻真)を伝って、時計の心臓部であるムーブメント内部へと吸い込まれていきます。
- 部品の固着: 内部に入った接着剤は、リューズ操作の切り替えを行う「オシドリ」や「キチ車」「ツヅミ車」といった重要な歯車をガチガチに固めてしまいます。
- 操作不能: リューズが回らなくなるだけでなく、引くこともできなくなります。
- 修理費の増大: こうなると、リューズ交換だけでは済みません。ムーブメントを全分解し、固着した部品をすべて交換する「コンプリートサービス(オーバーホール)」が必須となり、修理費用は一気に10万円コースとなります。
リューズ引き抜きによる「オシドリ脱落」と「巻真折損」
DIY志向の強い方がやりがちなもう一つのミスが、「きれいに接着するために、一度リューズを抜こう」としてYouTubeなどの動画を真似ることです。
- オシドリの脱落: 裏蓋を開け、巻真を抜くためのボタン(オシドリ)を押す作業は、極めて繊細な力加減が必要です。押す場所がズレたり、強く押しすぎたりすると、裏側の機構(カンヌキなど)が外れてしまいます。これを直すには、文字盤と針をすべて外して分解する必要があり、素人には不可能です。
- 巻真の折損: リューズに繋がる「巻真」は非常に細い金属棒です。引き抜く際や戻す際に、わずかでも斜めに力がかかると簡単に折れます。折れた巻真がムーブメントの中に残ると、除去作業はプロでも困難を極めます。
ご自身で修理キットなどを購入して挑もうとする方もいますが、カルティエの修理キットは2種類?公式・民間の比較と最適な依頼先の記事でも解説している通り、リスクとリターンが見合っていません。絶対にやめましょう。

あなたの時計の石はどれ?モデル別・素材と構造の完全ガイド

「青い石」と一言で言っても、カルティエの時計にはモデルやグレードによって異なる素材、異なる形状の石が使われています。ご自身の時計がどのタイプかを知ることは、適切な修理方法を選ぶ第一歩です。
サファイア(天然石)とスピネル(合成石)の見分け方
カルティエのリューズに使われる石は、主に「ブルーサファイア(天然)」と「シンセティック・スピネル(合成)」の2種類です。一般的に、ケースの素材によって使い分けられています。
| 比較項目 | ブルーサファイア (Natural Sapphire) | シンセティック・スピネル (Synthetic Spinel) |
|---|---|---|
| 主な搭載モデル | ゴールド(K18)、プラチナモデル、ハイエンドライン | ステンレススティール(SS)モデル全般 |
| 硬度 (モース硬度) | 9 (ダイヤモンドに次ぐ硬さ) | 8 (非常に硬いがサファイアより劣る) |
| 色味の特徴 | 深みのある濃い青、個体差があり不透明に近いものも | 鮮やかで透明感のある均一な青 |
| 修理時の注意 | 天然石のため高価。色合わせが難しい。 | 工業製品のため比較的手に入りやすい。 |
カルティエの時計を着用している芸能人:愛用モデルとその理由の記事で紹介しているような、セレブリティが着用するゴールドモデルの多くはサファイアが使用されています。もしあなたの時計がステンレスモデルなら、基本的にはスピネルである可能性が高いでしょう。

タンク(Tank)シリーズ:リューズガードなしの脆弱性
タンクシリーズ(タンクソロ、タンクルイカルティエ、タンクマストなど)は、リューズがケース側面から突き出しているデザインが特徴です。
- 構造的弱点: リューズを保護する壁(リューズガード)がないため、衣服の袖口やバッグの内側に引っかかりやすく、石に対して横方向の力(剪断力)がダイレクトにかかります。これが、タンクシリーズで石取れが頻発する最大の理由です。
- 形状の多様性: カルティエタンクの昔の値段はいくら?価格推移と高騰の理由でも触れていますが、タンクには長い歴史があり、年代によって石の形状(尖った砲弾型、平たいカボションなど)が異なります。修理の際は、その年代に合った形状の石を選ばないと、時計の雰囲気が変わってしまいます。

サントス(Santos):ファセットカットという特殊形状
サントス ドゥ カルティエや一部のサントスガルベなどのリューズには、丸い「カボション」ではなく、多面体にカットされた「ファセットカット」の石が使われています。
- 修理の難易度: この七角形や八角形のリューズに合わせたファセットカットの石は、汎用品ではほとんど流通していません。もし丸い石を取り付けてしまうと、サントスの持つシャープで幾何学的なデザイン性が完全に損なわれてしまいます。
- 純正の重要性: サントスの場合は、特に純正部品(あるいは精巧なジェネリックパーツ)での修理が推奨されます。【完全版】カルティエのサントスの歴史!世界初の腕時計の軌跡で解説している通り、このデザインには飛行機のビスや幾何学的な美学が込められているからです。

バロンブルーとパシャ:プロテクターとキャップの罠
バロン ブルー ドゥ カルティエ:
リューズがケースと一体化した金属のアーチに守られています。石はアーチの下に深く埋め込まれているため、物理的にぶつけて取ることは少ないですが、逆に修理の際はアーチが邪魔をして作業難易度が跳ね上がります。民間店によっては「対応不可」とされることもあります。
パシャ ドゥ カルティエ:
パシャはリューズの上にねじ込み式の「リューズプロテクター(キャップ)」が付いています。石はこのキャップの頭頂部についていることが多いですが、問題なのは「チェーンが切れてキャップごと紛失する」ケースです。この場合、石だけでなく金属パーツの調達も必要になります。
それぞれのモデルの特性を理解した上で、次は「なぜ石が取れるのか」という原因を掘り下げていきます。原因を知ることは、修理後の再発防止に直結します。
なぜ石は取れるのか?3つの物理的・化学的原因

「何もしていないのに、気づいたら無くなっていた」
これは多くのオーナー様が口にする言葉です。しかし、物体である以上、原因のない結果はありません。石が取れる背景には、長年の使用によって蓄積された「3つの見えない負荷」が存在します。これを知っておくことは、修理後の再発防止に大いに役立ちます。
接着剤の経年劣化(ケミカル・デグラデーション)
最も一般的な原因は、石を固定している接着剤の寿命です。
- 熱膨張係数の差: 時計の金属ケース(ステンレスや金)と、石(サファイアやスピネル)は、温度変化に対する膨張率が異なります。夏場の高温や冬場の冷え込み、冷暖房の出入りによって、ミクロレベルで「伸び縮み」を繰り返しています。このわずかな動きの差が、長期間かけて接着剤の層を引き剥がす力(剪断応力)となります。
- 加水分解: 汗、雨、手洗いの水しぶき、そして香水やハンドクリームの成分が、リューズの微細な隙間から浸透します。特に古い世代の接着剤は、水分と反応して分解する「加水分解」を起こしやすく、ある日突然、保持力を失ってポロリと取れてしまうのです。
日常生活に潜む物理的衝撃(メカニカル・ショック)
「ぶつけた記憶がない」というのは、「リューズを直接ハンマーで叩いたような記憶がない」という意味でしょう。しかし、日常生活には多くの衝撃が潜んでいます。
- 剪断力(Shear Force): 特にタンクのようなリューズガードがないモデルで顕著です。ジャケットを着る際、カバンに手を入れる際、家具の角をかすめた際などに、リューズに対して横方向の力が瞬間的にかかります。石は「ねじれ」や「横からの力」には意外と脆く、接着面が耐えきれずに弾け飛んでしまいます。
- 衝撃波: 時計を床に落とした場合、リューズが直接当たらなくても、ケース全体に伝わった衝撃波が、質量の異なる石の部分に慣性力として働き、射出されるように外れることがあります。
誤ったリューズ操作による負荷
オーナー様の無意識の癖が原因となるケースもあります。
- 押し付け巻き: ゼンマイを巻く際、指の腹で石の部分をグイグイと押し付けながら回す癖はありませんか? これにより、石に対して常にねじれの負荷がかかり続けます。
- 爪かけ: リューズを引き出す際、石と金属の境界部分(接着面)に爪を食い込ませて無理やり引くと、石そのものを引き剥がす「梃子(てこ)の原理」が働いてしまいます。リューズは必ず金属部分をつまんで操作するのが鉄則です。
【徹底比較】正規サービス vs 民間修理店!料金・納期・メリット

いざ修理するとなった場合、選択肢は大きく分けて「カルティエ正規カスタマーサービス」か「民間の時計修理専門店」の2つです。
「どちらが良いか」は、オーナー様が何を優先するか(コスト、純正へのこだわり、資産価値)によって正解が異なります。以下の客観的なデータを基に判断してください。
正規コンプリートサービス(オーバーホール)の料金と真実
カルティエ(リシュモングループ)の正規サービスは、基本的に「部分修理」を行いません。「石が取れた」という症状であっても、時計内部の状態(油切れ、パッキン劣化など)を含めて診断され、多くの場合は「コンプリートサービス(オーバーホール)」の見積もりが提示されます。
これは、「石だけ直して、1ヶ月後に時計が止まった」というトラブルを防ぎ、ブランドとしての品質を保証するためのポリシーです。
- 料金目安: クォーツモデルで約40,000円〜、自動巻きモデルで約60,000円〜(モデルにより変動)。
- メリット: 100%純正部品の使用、防水性の完全回復、メーカー保証(修理後12ヶ月〜24ヶ月)の付与。
- デメリット: 費用が高額、納期が長い(約1ヶ月以上)。また、ヴィンテージモデルの場合、「部品保有期間終了」として修理を断られるリスクがあります。
民間修理専門店の「部分修理」という選択肢
一方、民間の修理専門店(一級時計修理技能士などが在籍する店)は、ユーザーの要望に柔軟に対応してくれます。ムーブメントに異常がなければ、「石の取り付けのみ」「リューズ交換のみ」というスポット修理が可能です。
- 料金目安:
- 石合わせ・接着のみ:5,500円〜10,000円程度
- リューズ交換:15,000円〜25,000円程度
- 部品事情: 近年、メーカーから外部への純正部品供給が制限されています。そのため、民間店では形状やサイズが適合する「ジェネリックパーツ(社外品)」や、中古部品を使用することが一般的です。機能的には問題ありませんが、厳密な色味やカッティングがオリジナルとごくわずかに異なる場合があります。
正規と民間の比較マトリクス表
ご自身の状況に合わせて、どちらを選ぶべきか比較検討してください。
| 比較項目 | カルティエ正規サービス (Boutique/Service Center) | 民間時計修理専門店 (Independent Workshop) |
|---|---|---|
| 主な対応 | コンプリートサービス(オーバーホール)が基本 | 部分修理(石取付・リューズ交換)が可能 |
| 推定費用 | 50,000円 〜 100,000円 (オーバーホール一式) | 5,500円 〜 30,000円 (処置内容による) |
| 納期 | 4週間 〜 8週間 | 1週間 〜 3週間 (即日対応の店もあり) |
| 部品の純正性 | 100% 純正保証 | 社外品(ジェネリック)または中古純正部品 |
| 石の品質 | 厳格なカラーマッチング | 色味やカットが若干異なる可能性あり |
| 保証 | 12ヶ月〜24ヶ月 (国際保証) | 6ヶ月〜12ヶ月 (店舗独自保証) |
| 資産価値への影響 | 価値を維持・向上させる | 買取査定時に「社外品」として減額対象になるリスクあり |
| 推奨される人 | 長く大切に使いたい、売却も考えている、金銭的余裕がある | とにかく安く直したい、急いでいる、古いモデルでメーカー修理不可 |
修理する?それとも売る?経済合理性(ROI)の計算

ここで一つ、意外な視点を提供します。「修理費用が高いなら、直さずに売ってしまい、新しい時計の資金にする」という選択肢です。しかし、「壊れた状態で売る」のと「直してから売る」のでは、どちらが得なのでしょうか?
「石取れ」状態での中古買取相場
中古市場において、リューズの石が欠損したカルティエウォッチは「訳あり品(B級品、ジャンク扱い)」として査定されます。
査定額は、通常の中古相場から「正規コンプリートサービス料金分(約5万〜8万円)+α」が差し引かれるのが一般的です。買取店側が再販するために修理に出すコストを、あらかじめ引いておく必要があるからです。
- 例(タンクソロの場合):
- 通常買取価格:200,000円
- 石取れ状態の買取価格:120,000円 〜 130,000円
修理してから売るべきか?投資対効果の分析
もし、民間修理店で「石の取り付け」を10,000円で行ったとします。見た目は「美品」に戻ります。
すると、買取価格はどうなるでしょうか。
- 修理後の買取価格: 180,000円 〜 190,000円
- ※正規明細がないため満額(20万)には届かない可能性がありますが、見た目のマイナス査定は回避できます。
計算結果
- そのまま売却:130,000円
- 直して売却:190,000円 – 10,000円(修理費) = 180,000円
つまり、たった1万円の修理費をかけることで、手元に残るお金が5万円も増える計算になります。このように、民間修理で安価に見た目を整えてから売却するのは、非常に賢い「投資」と言えます。
もし、修理費用にお金をかけたくない、あるいはもう古いモデルだから手放したいと考えているなら、まずは現在の価値を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。「石が取れている」というだけで極端に安く買い叩こうとする業者もいるため、信頼できる買取店での査定が必須です。
また、売却時には「保証書」の有無も重要になります。もし保証書が見当たらない場合は、カルティエ保証書の見方と再発行不可の真実!偽物やなしの買取価格も合わせてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

カルティエのリューズ修理に関して、オーナー様から寄せられることの多い疑問にQ&A形式で回答します。
Q. カルティエのリューズ交換の値段はいくらですか?
A. 正規サービスの場合、リューズ交換単体での受付は稀で、通常はコンプリートサービス(オーバーホール)に含まれます。その場合、モデルによりますが50,000円〜80,000円程度が目安です。民間修理店でリューズ交換のみを行う場合は、部品代込みで15,000円〜25,000円程度が相場となります。
Q. 腕時計のリューズが取れてしまったのですが修理はできますか?
A. はい、可能です。石だけでなく、リューズ本体(金属部分)や巻真ごと抜けてしまった場合でも修理できます。ただし、巻真が内部で折れている場合や、リューズ自体を紛失してしまっている場合は、部品調達の難易度が上がり、費用も高くなる傾向があります。
Q. カルティエの修理料金はいくらですか?(全体相場)
A. カルティエの修理料金は「技術料」と「部品代」で構成されます。電池交換のみであれば5,000円〜ですが、機械式時計のオーバーホールとなると60,000円〜100,000円は見込んでおく必要があります。正確な金額は、ブティックやカスタマーセンターでの見積もり(無料〜有料)で確定します。
Q. カルティエのオーバーホールの金額はいくらですか?
A. モデル(クォーツ、自動巻き、クロノグラフ等)によって異なりますが、目安として以下の通りです。
- クォーツ(電池式):約40,000円〜
- 自動巻き(3針):約60,000円〜
- クロノグラフ等の複雑時計:約80,000円〜
これらは基本料金であり、リューズ交換などの部品代が別途加算されることは通常ありません(コンプリートサービスに含まれるため)が、外装研磨(ポリッシング)は別途オプションとなる場合があります。
Q. 接着剤を使わずにはめ込むことはできますか?
A. 基本的に、カルティエのリューズの石は接着剤で固定されています。物理的な「はめ込み(圧入)」だけで留まっているわけではないため、接着剤なしで乗せただけでは、すぐにまた落ちてしまいます。プロの修理では、古い接着剤を完全に除去し、専用の接着剤で適量を塗布して固定します。
まとめ:あなたのカルティエを守るための最適な選択
カルティエのリューズの石が取れるというトラブルは、時計の機能自体には影響がないことが多いものの、精神的なショックは大きいものです。しかし、冷静に対応すれば、必ず元の美しい姿に戻すことができます。
最後に、今回の記事の要点を整理します。
- DIY禁止: アロンアルフア等の瞬間接着剤は「白化現象」と「内部固着」を招き、修理費を10倍に跳ね上がらせるリスクがあるため、絶対に使用しない。
- 初期対応: 石があるならチャック袋へ。ないなら水気と汚れに注意して保護する。セロハンテープでの固定はNG。
- 修理先の選択:
- 正規サービス: 費用は高い(5万円〜)が、100%純正部品で完璧に直したい方、長く使う予定の方におすすめ。
- 民間修理: 費用を抑えたい(5千円〜)、石を取り付けるだけでいい、売却前の化粧直しをしたい方におすすめ。
- 賢い売却: そのまま売ると「ジャンク品」扱いで安くなるため、民間修理で低コストに直してから売却することで、手元に残る金額を最大化できる可能性がある。
あなたのカルティエが、再び腕元で美しく輝くための最適な一歩を踏み出してください。修理に出すにせよ、売却を検討するにせよ、まずはプロに相談することから始めましょう。

