「カルティエのホワイトゴールドがはげる」と聞いて、愛用しているラブリングやトリニティリングが黄ばんできたように感じ、不安になっていませんか。
高価な買い物だっただけに、「不良品だったのでは?」「お手入れが悪かった?」と心配になるお気持ちはよくわかります。
しかし、その現象のほとんどは製品の欠陥ではなく、ホワイトゴールド特有の「ロジウムメッキ」というコーティングが摩耗したものです。
これは素材の特性上、起こり得る経年変化といえます。
この記事では、「カルティエのホワイトゴールドがはげる」原因から、輝きを取り戻すための正規メンテナンス、日常のお手入れ方法までを専門的に解説します。
- 「はげる」現象の正体と3つの原因
- カルティエ公式の修理(再メッキ)料金と期間
- 輝きを長持ちさせる日常のお手入れ方法
- プラチナ素材とのメリット・デメリット比較
最後まで読めば、その不安は解消され、適切なメンテナンス方法を知ることで、安心してカルティエのジュエリーを長く愛用できるようになりますよ。
カルティエのホワイトゴールドがはげる?その不安の正体とは

「カルティエのホワイトゴールドがはげる」と聞いて、高価なジュエリーの購入をためらったり、すでにお持ちのアイテムが心配になったりしていませんか。
その「はげる」という現象の多くは、実は製品の不良や偽物であるというわけではなく、ホワイトゴールド特有の「ロジウムメッキ(コーティング)の摩耗」によるものです。
この記事では、なぜその現象が起こるのか、そしてカルティエの正規メンテナンスでどのように輝きを取り戻せるのかを専門的に解説します。
「はげる」の正体はロジウムメッキの摩耗
多くの人が「はげる」と認識している現象は、表面に施された「ロジウム」という非常に硬く白い金属のコーティング(メッキ)が、長年の使用によって薄くなり、下の地金が見えてきている状態を指します。
これは傷や不良品ではなく、使用に伴う自然な経年変化のひとつです。
特に指輪(リング)は、日常生活でモノに触れる機会が最も多いため、メッキの摩耗が起こりやすいアイテムといえます。
なぜメッキ加工が必要?ホワイトゴールドの素材特性
そもそもホワイトゴールド(WG)とは、どのような金属なのでしょうか。
ジュエリーに使用される18金(K18)は、75%の純金と、25%の「割金(わりがね)」と呼ばれる他の金属を混ぜて作られます。
純金(K24)は鮮やかな黄色ですが、ホワイトゴールドは、この割金にパラジウムや銀など白い金属を使い、金の色を白く見せています。
しかし、75%は金であるため、地金そのものの色はプラチナのような真っ白ではなく、少し黄色味やグレー味を帯びた色(シャンパンゴールドのような色)をしています。
この地金の色を、より白く美しく見せるために、最終仕上げとしてプラチナよりも白い輝きを持つロジウムによるメッキ加工が施されるのが一般的です。
地金の「錆び」や「変色」との違い
「はげる」と「錆びる・変色する」は異なります。
カルティエが使用する18金のホワイトゴールドは、割金にパラジウムなど高品質な素材を使っているため、素材自体が空気中の酸素や水分で「錆びる」ことは通常ありません。
ただし、割金に含まれる銀などが温泉の硫黄成分や特定の化学物質と反応し、「硫化」して黒っぽく変色する可能性はあります。
しかし、「はげる」という現象の多くは、この化学変化ではなく、前述した物理的な「メッキの摩耗」を指しています。
この記事でわかること:原因から修理まで
この記事では、「カルティエのホワイトゴールドがはげる」現象の原因を深掘りし、輝きを取り戻すための具体的な修理方法、そして日常のお手入れ方法までを網羅します。
正しい知識を身につければ、この現象は過度に恐れる必要がないことがわかりますよ。
ホワイトゴールドが「はげる」主な原因とメカニズム

ホワイトゴールドが「はげる」ように見えるのは、日常生活における物理的な摩擦が主な原因です。
なぜ純金(K24)ではなく、他の金属を混ぜた18金(K18)が使われるのか、その「割金」の役割と合わせて理解を深めましょう。
1. 衣服や肌との摩擦による継続的な摩耗
これが最も一般的な原因です。
指輪の着脱、手を洗う、ポケットに手を入れる、服を着替えるといった日常のささいな動作でも、ジュエリーの表面は常に摩擦にさらされています。
このミクロン単位の摩擦が積み重なることで、表面のロジウムメッキが徐々に削れ、薄くなっていくのです。
2. 衝撃や傷によるコーティングの剥がれ
硬いものにぶつけたり、落としたりした際の衝撃も原因となります。
深い傷がついた場合、その部分のメッキが局所的に剥がれてしまうことがあります。
また、重い荷物を持つ、スポーツをするなどの動作も、指輪に圧力がかかり、変形やメッキ剥がれの原因となるため注意が必要です。
3. 酸や化学物質によるメッキの劣化
ロジウムメッキ自体は非常に安定した金属ですが、特定の化学物質によって劣化が早まる可能性があります。
例えば、プールの塩素、温泉の硫黄成分、化粧品、香水、ヘアスプレー、一部の洗剤などが挙げられます。
これらの物質がジュエリーに付着したまま放置されると、メッキの輝きが失われたり、摩耗を早めたりする原因になります。
はげてしまったカルティエのホワイトゴールドを蘇らせる方法

もし「はげて」地金の色が見えてきても、心配はいりません。
カルティエの正規サービスや専門の修理店を利用すれば、再び美しい輝きを取り戻すことが可能です。
ここでは具体的なメンテナンス方法と、気になる料金や期間の目安について解説します。
カルティエ正規店のメンテナンスサービス
最も信頼できる選択肢は、カルティエのブティックに持ち込み、正規のメンテナンスを受けることです。
カルティエでは、ジュエリーの状態に応じて様々なサービス(外部サイト)を提供しています。
これには、日常の汚れを落とすクリーニングサービス(無料の場合あり)から、傷やメッキの摩耗に対応する専門的な修理まで含まれます。
ポリッシング(研磨)サービスとは
ポリッシングは、ジュエリーの表面を薄く研磨し、細かな傷やくすみを取り除くサービスです。
ただし、研磨は金属を削る行為であるため、カルティエでは製品のデザインを損なわないよう、生涯における研磨の回数に推奨(目安)を設けている場合があります。
ロジウムメッキが剥がれている場合、このポリッシングで表面を整えた後、次のロジウム加工に進むのが一般的です。
ロジウム加工(再メッキ)の料金と期間の目安
「はげた」状態を元に戻すには、ロジウム加工(再メッキ)が必要です。
これは、表面の傷をポリッシングで整えた後、再度ロジウムのコーティングを施す作業を指します。
料金や期間は、あくまで一般的な目安であり、製品の状態、デザイン、購入時期によって大きく異なります。
シンプルなリングの場合、料金は数万円程度から、期間は数週間から1ヶ月以上かかることが想定されます。
【重要】
正確な料金と期間については、必ずお近くのカルティエ ブティックに実物を持ち込み、見積もりを依頼してください。 専門のスタッフが製品の状態を診断し、最適なサービスを提案してくれます。
一般修理専門店のメリットとデメリット
カルティエ正規店以外にも、高い技術を持つジュエリー修理専門店で再メッキを依頼することも可能です。
- メリット: 正規店より料金が安価な場合が多く、修理期間も短い傾向があります。
- デメリット: 最大のリスクは技術力のバラツキです。また、一度でも正規店以外で修理(特に研磨やメッキ)を行うと、将来的にカルティエでの正規修理が受けられなくなる(保証対象外となる)可能性が非常に高いです。
大切な資産価値を守るためにも、まずは正規ブティックへの相談を強く推奨します。
修理依頼時の注意点とカルティエの修理サービス比較
修理を依頼する際は、購入時の証明書(保証書)があるとスムーズです。
正規店以外での修理を検討する場合は、そのリスクを十分に理解した上で、信頼できる店舗を選ぶ必要があります。
カルティエの修理サービスや、民間修理店の選択肢については、カルティエの修理キットは2種類?公式・民間の比較と最適な依頼先の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

日常で実践できる!「はげ」を防ぐためのお手入れと予防策

ロジウムメッキの摩耗は避けられない経年変化ですが、日常の少しの工夫でその進行を遅らせ、美しい状態を長く保つことができます。
大切なジュエリーを守るための具体的な方法を紹介します。
ジュエリーを外すべきシーン:お風呂や家事
メッキの劣化や傷を防ぐため、以下のシーンではジュエリーを外す習慣をつけましょう。
- 入浴・温泉・プール・海水浴: 塩素や硫黄成分はメッキの大敵です。
- 家事(料理・洗い物): 洗剤や食材が隙間に入り込む原因になります。
- スポーツ・力仕事: 衝撃や圧力で変形したり、傷がついたりします。
- 就寝時: 寝返りなどで無意識に負荷がかかることがあります。
- 化粧品や香水をつける時: 化学物質が付着するのを防ぎます。
「つけっぱなし」のリスクと日常での取り扱い
「つけっぱなし」は、上記のようなリスクに常にさらされることになり、メッキの摩耗を早める最大の要因です。
日常使いのアイテムであっても、カルティエのトリニティリング普段使いマニュアル|つけっぱなしは?で解説しているように、適切なタイミングで外すことが重要です。

また、シルバー磨き用の「研磨剤入りクロス」は絶対に使用しないでください。
メッキを削り落とす(=はげさせる)行為そのものになってしまいます。
正しい保管方法とセルフクリーニングの手順
1日の終わりには、柔らかい布(メガネ拭きやセーム革など、研磨剤を含まないもの)で、表面の皮脂や汗を優しく拭き取ってください。
保管する際は、他のジュエリーとぶつかって傷がつかないよう、付属のポーチやジュエリーボックスの個別のスペースに入れましょう。
汚れが気になってきた場合は、ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かし、柔らかいブラシ(毛先の柔らかい歯ブラシなど)で優しく洗い、真水でよくすすいだ後、水分を完全に拭き取ります。
ただし、宝石がついているモデルは水洗いを避けるべき場合があるため、ブティックにご相談ください。
はげるのが心配なら?カルティエのホワイトゴールドとプラチナを比較

これからカルティエのリング購入を検討している方は、ホワイトゴールド(WG)とプラチナ(PT)で迷うことも多いでしょう。
「はげる」という特性を踏まえた上で、どちらが自分に合っているのか、素材の違いを比較検討します。
ホワイトゴールドのメリットとデメリット
- メリット: プラチナに比べて硬度が高く、傷がつきにくい傾向があります。ロジウムメッキによる非常にシャープで白い輝きが魅力です。
- デメリット: 経年変化でメッキが摩耗し、「はげる」現象が起こります。定期的な再メッキのメンテナンスが必要になる場合があります。
プラチナのメリットとデメリット
- メリット: 素材自体が白いため、メッキ加工が不要です。したがって「メッキがはげる」という心配が一切ありません。粘性が高く、長年の使用で傷がついても独特の風合いが出ます。
- デメリット: ホワイトゴールドより柔らかく、重い素材です。日常使いでも細かな傷(「パティナ」と呼ばれる風合い)がつきやすいです。
比較表:メンテナンス性・色味・価格の違い
どちらの素材が優れているかではなく、特性の違いを理解することが大切です。
| 比較項目 | ホワイトゴールド (K18WG) | プラチナ (PT950) |
|---|---|---|
| 色 味 | ロジウムメッキによる強い白さ | 素材本来の落ち着いた白さ |
| メッキ | あり(ロジウム加工) | なし |
| 経年変化 | メッキの摩耗(はげ) | 細かな傷(パティナ) |
| メンテナンス | 定期的な再メッキ推奨 | 研磨(ポリッシング) |
| 硬 度 | 硬い(傷がつきにくい) | 柔らかい(傷がつきやすい) |
| 価 格 帯 | プラチナより安価な傾向 | WGより高価な傾向 |
トリニティリングなど素材の変色リスクとは
ホワイトゴールドに限らず、ジュエリーは素材ごとに異なる特性を持っています。
例えば、トリニティリングのように複数の素材(イエローゴールド、ピンクゴールド)が組み合わさっている場合、お手入れの方法も異なります。
なぜ?カルティエのトリニティリングの変色【素材別】原因と直し方も参考に、素材ごとの特性を理解しておくと良いでしょう。
まとめ:「カルティエ ホワイトゴールド はげる」は特性の理解とメンテナンスが鍵
カルティエのホワイトゴールドが「はげる」現象は、不良品や偽物だから起こるのではなく、表面のロジウムメッキが摩耗することによる、素材の特性に基づいた経年変化です。
この現象は、カルティエの正規メンテナンスサービス(ポリッシングとロジウム加工)によって、購入時のような美しい輝きを取り戻すことが可能です。
「はげる」ことを過度に心配するよりも、ホワイトゴールドの特性を正しく理解し、日常のお手入れを心がけることが重要です。
そして、輝きが気になってきたタイミングで、信頼できるカルティエ ブティックに相談しましょう。
適切なメンテナンスを行うことで、カルティエのジュエリーは生涯にわたるパートナーとして輝き続けてくれます。
カルティエのホワイトゴールドに関するFAQ
この記事で解説した内容について、よくある質問をまとめました。
Q1. カルティエのホワイトゴールドは「錆びる」ことはありますか?
A1. 通常の使用において「錆びる(酸化する)」ことはありません。カルティエの18金ホワイトゴールドは非常に安定した素材です。ただし、温泉の硫黄成分などに触れると化学反応(硫化)を起こして変色する可能性はあるため、入浴時などは外すことを推奨します。
Q2. 「はげた」まま放置するとどうなりますか?
A2. ロジウムメッキが摩耗し、地金(少し黄色味やグレー味のある色)が見えた状態になります。地金自体が錆びたり腐食したりするわけではないため、ジュエリーとしての使用に問題はありません。ただし、見た目の美しさが損なわれるため、輝きを取り戻したい場合は再メッキ(ロジウム加工)が必要です。
Q3. カルティエの修理料金が高い場合、一般店に頼んでも良いですか?
A3. 一般の修理専門店は安価で早い場合がありますが、大きなリスクも伴います。一度でも正規店以外で手を加えると、以降カルティエでの修理が一切受けられなくなる可能性があります。資産価値を保つためにも、まずはカルティエ ブティックに相談し、正規のメンテナンス見積もりを取ることを強くお勧めします。

